「とっとりデジタルコレクション」で、昭和11(1936)年に鳥取県内の小学校区単位での地誌編さんが行われた鳥取県郷土調査が閲覧できる。地域の歴史や地理、教育方針などが大半だが一部の調査には町村民性が記述してあるものがあり、これがなかなか興味深かった。
その中でも、もっとも明確に地元民をディスっていた御来屋尋常高等小学校(現在の鳥取県西伯郡大山町御来屋にあった小学校。現在の名和小学校の前身)の調査資料を要約して紹介する。
・町民の長所
1.人情に厚い
2.信仰心が篤い
3.活発である
・町民の短所
1.個人主義で協調性を欠く
2.他人の行為を冷笑し人の落ち度を攻撃する
3.仕事を嫌がる
4.実行力に乏しい
5.社会奉仕の精神に乏しい
・児童の特徴
1.従順だが自分から動かない
2.動作が粗野
3.物事に対して持続力がない
4.女子はお喋り
5.整理整頓が下手
6.方言を使用する
7.探求心が乏しい
8.文章が下手
9.日本史の流れを分かっていない
どこもこんな感じじゃないのという気もするが、教育者からすると我慢ならなかったのだろう。この頃の校長は地元から尊敬されており自宅まで地元の人達が協力して建ててくれるような時代だったらしいから、上から目線なのはしようがない。
当時の知識層が庶民をどのように見ているのか分かる面白い資料だった。
(現在の御来屋の街並み)