富士登山

 平成18年7月29日、富士山を登ることになった。私は本当に体力が無くて、人と山城に行ってもおいて行かれるくらいなので心配だったのだが、周りの人間から「富士山は体力が無くても登れる」と言われたので、それを信じて行くことにする。
 取りあえず、その週に人やネットで調べて準備をする。

準備したもの
・リュック・・・登山用のもの
・懐中電灯・・・夜間に登山するため
・水・・・ペットボトル500ml*4
・食事・・・非常食のお菓子とパン(栄養補給のため)
・軍手・・・ロープを伝って登るときのため
・着替え・・・山小屋で一泊するので
・ウェットティッシュ・・・山小屋には風呂はない
・カッパ・・・突然の雨に
・その他、小物をちょこちょこと

 7月28日、仕事が終わったらすぐに御殿場まで行き、そこで一泊。翌日、6時に起きて富士山に行く。五合目の駐車場はいっぱいだったため、数百メートルも下の道路に路上駐車をするように指示される。こりゃ四合目から出発と同じだな・・・--;

(五合目に向かう途中で見た下界)

 そして9:30に5合目に着き、朝飯を食った後、いよいよ登山口に。6合目までは道も緩やかですぐに着く。「こりゃ楽だな、思わせるのが狙いだな」と思っていたら本当にそうだった。
 続いてすぐに7合目に着く・・・と思ったら新7合目だった。それから徐々にきつくなっていく。足が重い・・・。

(七合目に向かう途中で見た空)

 7合目に着いた時点で息が切れていた。でも、ここに宿があるはずだからまあいいや、と思っていたが、どうやら友達が確認したところ、ここじゃなかったらしい。疲れて状況がよく分からなかったが、とにかく8合目を目指すことにする。ここからが辛かった。雨が降ってきて体温を奪われるし、体力は落ちているし。10分登って数分休憩するという感じだった。
 それでもなんとか13:30には8合目に到着する。この時、ものすごいスピードで登り8合目に着いていた友達が「7合目の宿は別ルートのだった。でも、ここの宿が取れたから」とのこと。まあ、何にしても良かった・・・。
 ここで濡れた服を乾かして(と言っても火がないので自然に乾くのを待つだけだが)、体を休める。夕方、天気が良くなってきたので、外に出て風景を見ようとすると・・・眼に飛び込んできたのは、男性二人の肩にもたれかかり、うつろな目をした高山病の女性だった・・・ーー; 女性には失礼だけど、こ、怖い・・・。高山病になるとああも悲惨なのか・・・。彼女はそのまま8合目の診療所に運ばれて行った。あの顔は忘れることができない。
 トイレに行った後、気を取り直して戻ると食事。量は少なかったが、食べられるだけありがたいと思うことにした。

(夕食のカレー)

 その後、18時に二段ベッドで寝る。ちなみに一つの布団で2~3人が寝ないと行けない。隣の子供が寝相が悪くてこっちに侵入してくるので、こっちも尻で押し返していた。4分の1の年齢の子供相手に本気で喧嘩。
 
 深夜0時、起きると御来光を見るために出発。そこで外に出るとまた悲惨な光景が・・・。宿に入れなかったのか、8合目周辺で震えて座る人達の群れがあった。途中でただ休憩しているだけの人もいただろうが、宿を予約せずに来て泊まれなかった人もたくさんいたに違いない。難民キャンプのようだった・・・。
 まあ、何にしてもとにかく出発である。ここから本当に本当にきつかった。私はすぐに足が重くなってほとんど進めなくなり、5~6メートル登ったら5分休憩というペースでないと動くことができなくなっていた。対して友達は自転車で名古屋から関西や四国に行っている強者なので、楽そう。ずっと助けられっぱなしだった。
「はい、あそこまで行ったら休憩」「はい、水飲んで」「こういうコースで登る」と行った感じ。あれ、これってどこかで見たことがあるぞ・・・。ああ、この前見た老人介護施設だ。
 「おじいちゃん、あそこまでがんばって行こうね」「おじいちゃん、水だよ」。ああ、年取るか大きい病気にかかると平地でもあんな感じになるんだろうな、と感じた。普段は元気なご高齢の方しか見ていないから気がつかないけど、健康って大事だなって思った。
 そんなこんなで介護してもらいながら、ひたすら登る。途中、本気でやめようと思った。特に最後の50メートルくらいが辛かったTT でも、気合い(と介護)でなんとか3:30頃に頂上に到達!!

(頂上の鳥居)

 そこで取りあえず座って息を整えていると・・・さむっ!! ぶち寒い!! 風がきついしシャレにならんくらい寒い。しかもここも頂上だけどさらに上があることが判明。せっかく来たので、友達に頼んで引きずってもらいながら一番上(富士山観測所)に到着。ここはさらに寒い・・・。0度くらいだったんじゃあないだろうか。しかし観測所の一角が開いていたので、そこに避難。中国系・韓国系・ヨーロッパ系の人達とひたすら御来光を待つ。
 そして待つこと30分。ついに御来光が・・・。




 おお、、、やっぱり来た甲斐があったというものだ。でも、死ぬほど寒い。そして御来光を拝むと、下山。足にガタが来ていたので、グデングデンになりながら下まで降りた。

(途中で見た雲海)

 そして8時頃、5合目に着くと食事をして帰る。家に着いて片付けが済んだら19時には寝た。そして起きたら朝の5時半だった・・・。
感想:富士山は登山好きの人曰く、楽な方らしいがそれでも日本最高峰。天気は変わりやすいし、高いので、油断はできない。食糧と水、防寒具は必須。冬用のジャンパー持って行ったけどそれでも頂上は信じられないくらい寒かった(でも今週辺りが一番暖かい時)。あと、高山病になるとすべて台無しなのでゆっくり自分のペースで登った方がやっぱりいいと思う。
 いずれにしてもいい思い出になった。二度と行きたくないけど。

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