旧主との再会
井伊直孝の家臣・福留親政は和議がなったあと、大坂城に行き旧主・長宗我部盛親と再会した。盛親は親政に問うた。
「どの軍に属していたか」
「井伊軍に属していました」
「去年の4日朝の戦い(真田丸の攻防)で城壁を攻めた中にいたのか」
「そうです。現在、死んだ者の遺体を引き上げているところです」
「その際に何人が討死したのか」
「17人が討死しました」
「その持ち口を私が守り、17人が討死するのを見た」
盛親が御側衆に17人の指物を持って来させると、親政は感動し涙を流した。
「そなたの祖父・飛騨と父・隼人は、長宗我部家のために討死してくれた」
盛親は先祖の功に感謝の意を表して、親政に盃を渡した。親政はかたじけなく思いながらそれを受け取っている。(『福留覚書』)

高知市大津乙にある親政の祖父と父を祀る隼人神社
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