香り立つ

 1615年5月6日の若江の戦いで、井伊直孝の家臣・安藤重勝が、豊臣軍の大将・木村重成の首を獲って、徳川家康に差し出した際、重成の首からお香の香りが漂ってきた。家康は感心しながら首に語りかけた。
「誰がこのような優雅な嗜みをお前のような若者に教えたのか。熟練した武士は雑兵の首と紛れないようにこういう嗜みをするものだ。生かしておいたならば名将になったものを」(『古老物語』)

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