誤射

 天王寺・岡山での最終決戦で茶臼山の谷のような場所に本多正純軍が進撃していた。本陣から出た旗本を敵兵と見誤り鉄砲を撃ち放った者がいたが、捕まえて問い糾すと正純の家来だと答えたため、徳川家康の命令で開放された。また八木下善四郎や田中一郎右衛門も誤射した味方の兵を捕らえた。
 この時、本陣の兵達は歩行となり、その先に小栗忠左衛門が騎馬としていた。この状況を軍が崩れたように言う者がいたため、藤堂高虎は具足を脱いで崩れていないことを証明した。正純も羽織だけだった。井伊直孝などが旗本達に崩れていると勘違いされるのを防ぐため
「お前達、具足を脱ぐな」
 と命じた。そこで正純も具足を取り寄せ山の陰で装着していると、それを見た兵達は
「正純殿が具足を着られるのは敵を打ち漏らしたからなのか?」
 と少し騒ぎになった。(『武功雑記』)

管理人・・・この時の徳川軍の混乱が見て取れますね。自分の意訳した文章も混乱していますが…。

UPDATE 2013年12月12日
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