動きません

 鴫野の戦いで上杉軍は勝利し前線に陣取った。そこに家康の軍使がやってきて、堀尾忠晴と交代するように命じたが上杉景勝は命令を無視して動かなかった。
「一度取った陣を他人に譲ることなど出来ない」
 続いて丹羽長重がやってくると、景勝は床机に座って城を睨み、鎧を着けず、養父・謙信と同じく采配代わりに使っていた青竹を杖にしていた。その左右には300の兵がひざまずき、紺色の日の丸の旗と毘の旗、扇の馬印を立てて静まり返って、長重を見ることもしなかった。
 これを見た長重は上杉軍の決意を悟り、去っていった。のちに長重はこれを人に語って景勝を賞賛している。(『常山紀談』)

鴫野の戦いの碑
城東小学校にある鴫野の戦いの碑

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