・原文
星きとく候、天下之儀とハ乍申、諸人之気遣事候、ゑき御とらせ候哉、か様之時儀二てこそ候、いかゝ候哉、何も祈念立願も内々可入儀候、祈念事ハ今ほとハ成間敷候、立願之日から御らん候て可給候、為御心得候ゝ、恐々かしく、
(日付不明)
満願寺まいる
・読み下し
星奇特候、天下の儀とは申しながら、諸人の気遣いこと候、易御とらせ候や、か様の時儀にてこそ候、如何候や、何も祈念立願も内々入るべく儀候、祈念事は今ほどはなるまじき候、立願の日から御覧候て給うべく候、御心得たる候御心得たる候、
・意訳
奇妙な星(流れ星ヵ)が現れた。天下(この場合は世間一般ヵ)のこととは言いながら、人々が心配している。この星についての易(占い)はされていますか。このような時にこそ占うべきではないでしょうか。どう思われますか。いずれにしても領国安泰の祈念と立願を内密にお願いします。祈念は今のままで充分です。立願はいつの日が良いか見ておいてください。そのことをくれぐれも心得ておいてください。
・感想
奇特とは「良いこと」や「不思議」の意味だそうですが、その後の内容を見るとこの書状では悪いことが起こる前兆だと受け取られているようです。毛利輝元も立場上、不安がる訳にはいかないですが、内密に領国安泰の祈念をお願いしているところを見ると心配なようです。
「天下之儀とハ乍申」が何の意味か分かりませんでした。「自然現象とは言いながら」とも考えたのですが、当時はそんな考え方はなさそうなので、次の文節を考えると「世間一般の事とはいえ騒いでいる(ので放ってはおけない)」みたいなニュアンスだと解釈しました。
