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淀殿の戦意

　１６１５年４月下旬、京都に入った両将軍（徳川家康・秀忠）は常高院にある命令をした。
「大坂に行って和睦の段取りをしてくれ。豊臣家が大坂城を明け渡せばどこでも希望の国を与えよう」
　それを聞いた淀殿は大野治長に受け入れるように頼んだ。
「とても戦っても勝てません。このまま朽ち果てるよりは身の安全を計って機会を待ちましょう」
　しかし治長が豊臣秀頼に伝えると、秀頼は激高。
「機会を待つと言っても、今の状況ではそんなものが来るとは思えない。和睦しようとするのは臆病だからだ。戦いのことは女の指図でうまく行くことはない。二度と常高院は自分の前に姿を現すな。その話は自分の骸骨に会って言うがいい」
　そう言い捨て奥の御所に去っている。（『秀頼事記』）

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