政友の最後
御宿政友を討ち取った野元右近は徳川家康にその時の様子を尋ねられた。
「政友は馬に乗って兵二人を連れて天王寺方面からやってきましたが、二人に何か申しつけて後ろに帰らせました。その後、政友はこっちを見て槍を取り馬を降りたので、私は近寄りましたが政友はなぜか抵抗しませんでした」
その場では右近に「あっぱれな功名を立てたな」と誉めたが、去った後、家康がつぶやいた。
「政友も歳を取ったな。若い時なら右近などに首を取られる事もなかっただろうに」
またある時、家康は
「大坂城には御宿政友と後藤基次の他に、これと言った人物はいない」
と評したという。（『異本落穂集・武功雑記』）
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