天下を望む

 大坂の陣の最中、大野治房
「天下を望む」
 と発言したが、徳川家康
「そうか」
 と答えただけで、少しも憎んだ様子はなかった。後に家康は
「治房が天下を望むと言ったが無理ではない。天下はただ武辺に達しただけでは叶えることはできない。私も天下が転がってきたので手に入れられただけだ。事実、武田信玄・上杉謙信には武勇はあったが天下は取れなかったではないか」
 と話している。(『紀伊国物語』)

UPDATE 2013年1月12日
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