敵の出撃を見抜く

 前田軍が真田丸の攻防に参加していた時に、神尾之直の姿が見えなくなった。それを知った斎藤道二は
「あのような子(一緒に戦いに参加していた之直の息子は美童だった)を捨てて親はどこに行ったのだ」
 と罵った。すると小幡景憲が事情を説明。
「いや之直は怪我をしたため退却したのだ」
 それを聞いた道二は
「この出丸に真田昌幸の息子が篭っていると聞いた。おそらく初心者だろうが、親は功者だったので家来達は戦い慣れているから、いずれ首を拾いに出撃してくるだろう。その時に立派な働きをするのだ」
 と、之直の息子にも聞こえるように声高に叫んだ。(『武功雑記』)

明星高校
真田丸があったとされる大阪市天王寺区餌差町周辺(写真は明星高校)

管理人・・・ここで真田幸村が初心者(原文にもそのまま『初心者』となっていました)と言われていることから分かるように、本人の実力はまったく知られていなかったようです。
 斉藤道二という人物は過去に小田切加兵衛と名乗っており、小牧・長久手の戦いで名を馳せた人だそうです。

UPDATE 2011年7月18日
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