宣教師の苦難(その2)

 大坂が落城した時、二人のキリスト教の宣教師が城の中におり脱出した。一人は途中で徳川軍の兵士に会い、素っ裸にさせられた。しかし異国人で高齢だからという理由で命までは取られなかった。その時、戦場には死体が10キロにも渡って累積されていたという。
 もう一人は家から家に逃れていたが、兵火に焼かれたため葦の茂る池に逃れた。そこにキリスト教徒の日本人がいたため、懺悔を聞いてやって洗礼を授けてやった。池で一夜を過ごして再び逃げたが、彼も徳川軍の兵士に出会い衣服を奪われ、僅かに下着だけが残ったという。(『日本西教史』)

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