主君を刺すわけには・・・
和議が成立し豊臣秀頼と徳川家康が誓紙を交わす際、木村重成が使者として来た。血判するために家康が家臣の内膳正に小刀を持っているかどうか聞いた。内膳正は自分の脇差を見たものの
「所持していません」
と答えた。そこで永松院が自分の針を出して家康の指を刺す瞬間に自分の指をその先に出して流れた血を彼の指につけた。家康は
「年を取って血が出にくくなった」
などと言い訳をしながら血判した。
後に内膳正は自分の家来に
「あの時、小刀はあったがどんな事情があっても主君の体から血を出すために自分の刀を差し出すことは恐れ多く所持していないと答えた」
と話している。(『武功雑記』)
UPDATE 2012年12月16日
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