遺体を守る

 松平忠直の家臣に馬場三郎兵衛というものがおり、冬の陣で突撃して戦死した。三郎兵衛の息子はそれを目の当たりにしたが、気丈にも遺体に駆け寄り肩に担いで撤退した。しかし10メートルほど退いたところで、ふと『これでは親を矢弾の楯にしているようなものではないか』と思い、家来に遺体を囲ませて矢弾に当たらないようにして撤退した。(『小早川式部翁物語』)。

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