同姓同名

　本町橋の夜襲戦の際、奇襲に成功した豊臣軍はすぐに城内に去った。この時、岩田七左衛門という者が殿（しんがり）を務め城内に入ろうとしたが、着ていた猩々緋の羽織が目立ったのか、蜂須賀軍の兵士がよき敵だと思い追撃して槍を突いてきた。
　そこで七左衛門は蜂須賀家にも同姓同名で猩々緋の羽織を着た者がいたのを思い出し
「私は岩田七左衛門だ。見間違えるな」
　と叫んだ。すると兵士達は味方だと思い、槍を引きそのまま引き取ったため、七左衛門は無事に帰ることが出来た。
　和議成立後、大坂城に蜂須賀家から七左衛門のことを賞賛する使者が送られている。（『難波戦記』）

本町橋
現在の本町橋

管理人・・・猩猩（しょうじょう）は酒飲みやオランウータンのことらしいので、赤い羽織のことだと思います。

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