前田家の追福

 前田利常は大坂の陣が終わると、領国の加賀に帰り、戦死した武士のために報恩寺を建立して追福。利常自ら寺を詣でた時は戦死した者の親族を共に連れて来て香を焚き、涙を流して深く悲しんだ。
「この殿のために死んだことを少しも惜しいと思っていない」
 利常の行為を見聞きした人達は、一同に声を上げて泣いたという。(『常山紀談』)

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