●大神山神社奥宮 保存修理工事 現場見学説明会(令和6年)
令和6(2024)年6月16日(日)、鳥取県西伯郡大山町大山にある大神山神社奥宮で保存修理工事の現場見学説明会があった。現地について受付をしようとしたが名前がない。なんか混乱しているらしく申し込みをしたのに名前がない人が多数いたらしい。
しばらくすると宮司さんが出てきて挨拶をされて、次に公益財団法人文化財建造物保存技術協会(だったかな?)の方が説明をされた。
屋根を仕上げ材で覆うことを我々の業界では「屋根を葺く」と言いますと言われていたが「専門用語だったっけ?」と思ってしまった。
そして実演開始。
(最初は丸太から屋根に打ち付ける柿板(こけらいた)を作る工程の実演。あんなに太い木がどんどん薄くなっていく)
(ここで人数が多すぎて二班に分かれ自分達は漆についての説明を受けた。漆の色の付け方、接着剤としての利用など基本的なところから教えてもらった。全く知らんかった。筆は人間の髪の毛から作るのか・・・)
(続いて柿板を木製の釘で打ち付けるのを体験。これには子供達が喜んでいた。大人も楽しそうだった)
(先ほどの漆と関係のある天井画の顔料の展示などがあった。今回は作業を見られないが天井画も修復するらしい)
(寛政8(1796)年に焼失してから文化2(1805)年に再建されるまでに再建成就を祈った祈祷札。棟札は今のところ写ししかないため、この祈祷札が再建の年月日を証明するものになっている。松江城が国宝になった時と同じ)
いよいよ実際の柿葺の様子を見学。ヘルメットを被って中に業者の方が実演してくださった。当たり前だけど釘を打つのが早い! 動画も撮ったけど顔にモザイクを入れる方法を知らないから今回は載せない。
見学者から作業されている方に「この仕事をしたくて今の会社に入ったのですか」と聞かれて「いえ、入社したらこの仕事でした」と答えていた。
(鉛(?)の板を挟むと雨が降った際ここから滲み出る毒性の液が苔などを防いでくれるらしい)
(既に作業が終わっている幣殿や本殿の柿葺き。「現在作業しているところと比べて色が落ち着いているでしょう」と説明されていた)
一通り質問などが終わったら下に降りて解散。
感想:実物を見ると勉強になる。来年は吉川広家や亀井氏が崇敬した下山神社の修理工事の見学会があるらしい。そっちも行くかな。