●前田神社(熊野さん)
住所:鳥取県西伯郡大山町古御堂378(字 於局(おつぼね))
駐車場:なし
祭神は稚日女命、大山祇命、稲背脛命、猿田彦尊、天鈿女命、大己貴命、素盞嗚命。創立年代は不明で、古来より押平神社の摂社で古御堂地区の産土神だった。利壽権現と称していたが明治元(1868)年に前田神社に改名する。この際に村内にあった末社の山神(祭神・大山祇命)と鷺大明神(祭神・稲背脛命)、道祖神(祭神は猿田彦命、天細女命)を合祀した。
大正5(1916)年に大山町大塚の福田神社(祭神は大己貴命、素盞嗚命)、大山町古御堂の大代神社(祭神・素盞嗚命)、大山町押平の茶畑原神社(祭神・素盞嗚命)を合祀している。大正6(1917)年には大山町古御堂の熊野神社も合祀した。
大代神社は字・代々屋敷(前田神社の北西)にあったが、天文年間(1532~1555年)に紀伊から勧請された熊野神社(字・後々路(同じく前田神社の北西))に御神体を移された。明治26(1893)年のことである。やがて上記の通り、両社とも前田神社に合祀されたが、熊野神社が疫病(流行り病)に効くと言われ岡山県や米子市、日野郡から参拝者が多く、前田神社が「熊野さん」と呼ばれていたという。
(周りは濠と土塁があり居館跡っぽいと思ったら、その可能性があるらしい)
参考文献:ふるさとを探ろう、鳥取縣神社廳、名和町誌、鳥取県神社誌、伯耆道祖神信仰の原像をさぐる : 淀江のサイノカミ
感想:鳥取縣神社廳には読みが「まえだ」となっていましたが、鳥取県は「まえた」と濁らないことが多いです。大山町の本には「まえた」となっており地元では濁らないのでしょう。
参考文献のどこにも前田神社の社号になった経緯が載っていませんでした。地名か祭神のどちらかが関係あると思うのですが。