●室戸山 明星院 最御崎寺(ほつみさきじ)
住所:高知県室戸市室戸岬町4058-1(字 大坊ヤシキ、坂本)
駐車場:あり
真言宗。本尊は虚空蔵菩薩。四国八十八カ所霊場二十四番札所。行当岬の金剛頂寺を「西寺」と呼ぶのに対し、最御崎寺は「東寺」と呼ばれる。
大同2年(807)、唐から帰国した空海が当地を訪れ創建し、虚空蔵菩薩を安置したのが始まりと伝わる。かつては7キロ北の四十寺山にあったが、寛徳元年(1044)に現在地へ移転されたという説もある。
室津庄(室津川の上流と中流の区域)や潮江庄(高知市潮江)に荘園を持っていたが、鎌倉時代になると潮江庄は守護代などに押領された。室町時代に土佐の安国寺となり、足利将軍の祈願所となる。南北朝時代以降、室津氏が室津庄を押領し、長宗我部元親が侵攻して室津氏を傘下に収めても、その状況は変わらなかった。
近世に入ると寺領が145石になり、土佐藩主の山内家が海上や野根山峠を通行する際には守札を献上している。明治維新後の廃仏毀釈で荒廃したが、大正年間(1912~26)に再建された。
建仁2年(1202)を始めとして何度も火災に遭い、多くの古文書や仏像などが消失してしている。寺宝に国指定重要文化財の薬師如来坐像、月光菩薩立像、如意輪観音半跏像などがある。
(大坂の陣で活躍した薄田隼人正兼相(岩見重太郎)の塚。戦後になって安霊所から兼相の遺髪が見つかり、当時の住職が建てて弔ったという。どういう形で見つかったのか、なぜ遺髪があったのか不明だが、遺族か豊臣方の武将が納めたのだろう)
参考文献:高知県の地名、四国遍路 : 八十八カ所霊場めぐり、四国八十八ヶ所霊場会、こうち旅ネット、同行二人 四国霊場へんろ記、現地の案内板
感想:薄田隼人の塚が気になって参拝しました。