重成を欺く

 豊臣・徳川両軍の和睦の際に徳川家康は茶臼山に行き誓紙を書いた。そこに木村重成が確認のため来訪。家康は側室・御万の方の肩に手をかけ誓紙を渡させると、重成は
「血が薄い」
 と言い突き返してきた。家康は
「自分は老いて血が少なくなり目も霞んできたので上手く刀を突き刺せなくなってきた。これ、突け」
 と御万の方に手を突き出した。すると御万の方は家康の指に自分の指を絡めて小刀で自分の指を刺した。御万の方の血が家康の指に流れかかったため、まるで家康の指から出たように見えた。御万の方は誓紙に血をつけて鼻紙で家康の指を巻いて拭き取った。
 なんとも紛らわしかったので重成はこれを見抜けなかったという。(『武家碎玉話脱漏』)

茶臼山
大阪市天王寺区にある茶臼山

管理人・・・・・・重成の美談として有名な話です。出回っている本だと重成の台詞がもっと長く書いてありますが、原文では「薄し」の一言だけ。意外とあっさりしてます。
 ちなみに原典の題名の『武家碎玉話脱漏』の『脱』は実際は目に兌ですが、変換できませんでした。

UPDATE 2011年12月29日
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