復活の薬

 水野勝成の家臣に広田儀太夫という者がいた。小身で右筆をしていたが、道明寺の戦いで敵の勇士と戦い首を獲って勝成に見せた。勝成が歓喜しているところに、儀太夫は何を思ったのか
「失礼だと思うのですが申し上げます。明日の戦いでは側近くに置いていただけないでしょうか」
 と願い出た。勝成は儀太夫の心中を察して側近くに置いた。
 さて、また当日に戦いがあり敵の隊の一つが水野軍の旗本に突撃してきた。儀太夫は一番に敵と槍を合わせて討死した。勝成自身が槍を振るうほどの状況になったが、やがて水野軍に加勢が来たため敵は退いていった。
 勝成は儀太夫が勇ましく討死したのを不憫に思い死体を確認すると多数の槍傷で体中が真っ赤に染まっていた。あまりに不憫に思った勝成が、笄(こうがい、刀の鞘に挿しておく、金属性のへらのようなもの)で儀太夫の口を開けて薬を飲ませると息を吹き返したため急いで医者を呼んで治療させた。治療の甲斐あって儀太夫は助かり、有馬温泉での湯治で完治した後に大加増され家老となり広幡図書と名を改めたという。(『勇士物語』)

水野勝成の墓
広島県福山市若松町にある勝成の墓

管理人・・・薬を飲ませたら息を吹き返したって・・・。どれだけ特別な薬を飲ませたんでしょうか。まあ、そんなことはなくそれがきっかけになっただけでしょう。

UPDATE 2012年6月30日
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