彗星

 1614年の春に東南の方に彗星(ほうきぼし)が出て西北に向かっていった。この時、朝鮮から来ていた李文長先生という者が予言をした。
「天文学で考えるにもっとも不吉な星かもしれない。その理由は、彗星が東に向かう時は人民が死に上の者が下の者を殺す。北に向かった時は天下が乱れる。南も同じ。西南の時は逆臣が動き出す。東南は人の心が安まらない。西北に向かう時は家臣が主君を殺す。東北に向かう時は外敵と争うことになる。彗星の尾が4つ連なれば天下泰平。今のは北西なので家臣が主君を殺すという前兆だ」
 文長はさらに予言を続けた。
「彗星は西から出てきた。東は木なので春、西は金なので秋、金は木に勝つ。今は時節が春なので陽になる。東に利がある。また南は火、北は水、水は火に勝つ。彗星が春より夏にくれば南に利がある。もし日本東西で兵乱が起こって春夏のうちに戦いがあれば東が必ず勝つ。もし秋か冬なら戦は必ず和議になるだろう。その理由は季節が陰だからだ。征伐には向かないので政治に集中すべきだ。方角も西北に利がある。争いは双方ともに利がある。水は火に勝ち、金は木に勝つ。西は金、北は水だからだ。もしその後春夏のうちに東南より争いが起きたなら西北必ず負けるだろう」
 果たして彗星は春より夏に来て世の人々はこれを不思議に思ったという。(『難波戦記』)

管理人・・・申し訳ありません。分かりやすく訳せませんでした。意味としては「西北に向かった彗星だから家臣(徳川家康)が主君(豊臣秀頼)を殺す。春から夏にかけて彗星が来て冬に戦が起きたら和議になる。その後夏に戦が起きたら西北が負けるだろう」ということでしょう。

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