九州王

 1615年6月3日、長崎にいた商人のリチャルド・コックスのところにビスケー人のトマスと名乗る商人が来た。トマスは話の中で
「薩摩王(島津家久)は、豊臣秀頼様から下関より下の各地を賜ったので、長崎を破壊し九州全土を治めようとする動きがある」
 と語った。(『リチャルド・コックス日記』)

管理人・・・この後の文章は『私(コックス)はこの話を信じない。こんな噂が出たのは、薩摩王に突然長崎の街路をすべて清掃せよとの命令があったため、大軍を率いて北上し、今夜到着するからだろう』と書いています。現代の人間から見ると大坂の陣も終わったのに今更九州制覇に乗り出さないだろうと思うでしょうが、日本国全体のことが分からない当時の人には島津の大軍がそう見えたんでしょう。

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