どっちが勝ち?

 大坂夏の陣の後、松平忠直の家臣・本多富正が一隊で首級173を獲ったため自慢をした。
「私より首を多く取った者はいないだろう」
 しかしそこに落合美作守が待ったをかけた。
「私の方が優れている」
「何故だ?」
「本多は禄を7万5千石いただいている。私は1万石の禄で首級47を獲った。禄の多少で兵数が違うのは言うに及ばない」
 美作守は兵数に対して首級の数が多いことを主張。この時、徳川家康の使番・諸星金右衛門もその場にいて柱に寄って居眠りしていたが、目を開いて
「今の落合の言葉。もっともだ」
 と発言したため、富正は返す言葉がなく、その話は終わった。(『常山紀談』)

本多富正の墓
福井県越前市深草1−10−3の龍泉寺にある本多富正の墓

UPDATE 2005年12月24日
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