嘘も方便

 大坂冬の陣の際、徳川家康本多忠朝を呼び出して、河水の水かさが増しているかどうかを調査に行かせた。帰陣した忠朝は
「水の勢いが激しく渡るのは困難です」
 と報告した。
「お前は父・忠勝に似ず愚か者だ。水の勢いが激しいのは女子供でも知っていることなのに、兵士で知らないものがいると思うのか。わしもお前の目を借りたりはしない。お前を使わしたのは、わしに考えがあったことを察しろ」
 家康は忠朝を叱りつけている。(『校合雑記』)

本多忠勝の像
三重県桑名市の桑名城跡にある本多忠勝の像

管理人・・・この後に続く文章は『物見や使番は主将の心を察して兵士の心を励ますことをあるべき姿として、迂闊に本当のことは言わないようにするべきだ』となっています。
 「思いの外、河川の流量は少なく渡河できそうです」とでも言って士気を上げろ、というのが家康の言いたかったことなのでしょうか?

UPDATE 2011年8月7日
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