鉄砲の避け方

 博労淵の戦いで徳川軍が博労淵の砦を攻めあぐねている時に池田忠雄の家来・北川久太夫は小舟を漕いで砦の偵察に向かった。それを見つけた砦に篭る豊臣軍の兵士達は久太夫の船に猛射撃を浴びせた。久太夫は舟の中に隠れて好機を待っていたが、潮が引いてしまったため舟が動かなくなってしまう。
 どうしようもなくなり鉄砲に晒されるだけになった久太夫だが、あることを思いついた。持っていた鉄砲玉を取り出して敵が発砲するたびに川に投げ込んだのだ。するとそれを見た豊臣軍の兵士達は弾が届いてないと思い、銃口を上げて発砲した。そのため、弾はどれも舟を越えて着弾した。そうしているうちに潮が満ちてきたため、久太夫は無事に味方の陣に帰ることが出来た。(『武徳編年集成』)

博労淵周辺
現在の博労淵周辺

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