何のために?
本町橋の夜襲戦の後、大野治房は木村重成に
「自分達の組の者が活躍したので感状をもらえるように手続きしてくれないか」
と頼んだ。しかし重成は思わぬ答えをした。
「上にも聞こえがいいので間違いなく下さるでしょう。ただし感状を拝領して誰に披露するのですか。一本槍の武士ならまた他国の主君に奉公する時に役立つでしょう。しかし大野兄弟は豊臣家に長く仕えておられるので主君と存亡を共にする身であり、その組の武士もまた同じ。何のための感状ですか」
治房は恥じて返す言葉がなかったという。(『常山紀談』)
管理人・・・重成には他にも似たような逸話があります(御感状を参照)。
UPDATE 2011年8月28日
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