好機

 徳川軍が大坂城の包囲を完了した時、城内から激しい射撃があった。これを見た徳川軍の兵士達は豊臣軍が打って出たと思い大混乱となった。その時、古田重治の家臣・原十兵衛が「あれは狭間配り(普段は塞いでいる城の狭間の穴を開ける事)だ。敵が打って出たのではない」と叫んで回ったためやがて騒ぎが収まった。
 この騒ぎの際に豊臣軍の中には打って出ようと提案する者がいたが、真田幸村が皆を諭した。
「今打って出れば最初は勝つだろうが、城内に引き返す時に付け入られて敗北するだろう。打って出る時はその後のことも考えておくべきだ」(『明良洪範』)

大阪城全景
大阪城全景

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