血気の武士

 大坂冬の陣の際、横田重量が徳川軍の使者として蜂須賀至鎮軍の陣に行くと、中村重勝(右近)がただ一人で敵の鉄砲の激しいところに立っていた。
「御覧なさい」
 右近は敵陣を指して同じ場所での視察を勧めた。しかし重量は誘いを拒否。
「そこまで行かなくても、ここから敵陣が確認できます」
 そして視察を済ませ帰っていった。帰陣後、重量は右近のことをこう評している。
「右近は血気の士だ。無理をして討死するだろう」
 果たして本町橋の夜襲戦でその通りになった。(『続武家閑談』)

本町橋
現在の本町橋

管理人・・・必要もないのに度胸があるところを見せることはない、ということなんでしょう。

UPDATE 2006年3月12日
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