毛利秀元捨遺譚―元就の再来―

 山口県にお住まいの神崎廉さんから「毛利秀元捨遺譚―元就の再来―」を拝受した。

毛利秀元捨遺譚

 著者の田中洋一さんは秀元が治めた下関市にお勤めの方で、自費出版だそうだ。今年は銅像も出来て盛り上がっているらしい。
 この本で秀元の生涯が分かるのはもちろんだが、関ヶ原後の毛利家の混乱や家臣同士の不和などが知られて興味深い一冊だった。

 気になったのが関ヶ原で秀元が吉川広家の和平交渉を知っていた可能性があるのに大坂に戻ってから徹底交戦を訴えたと書いてあること。「知っていた」というのは推測で「徹底交戦」は(軍記物か史料か知らないが)記録にあるから、文章がそういう流れになるのは仕方が無いか…。
 あと、重箱の隅を突くようだが、P55の三行目に「防長絵図を前にした正純は」とあるが、姓の本多が抜けていると思う…。以前に正純の記載も無いし。

 揚げ足取りのようなことを書いてしまいましたが、文字も大きく文章も読みやすいので秀元の伝記としては良い本です。
 購入方法は通販は無く、くまざわ書店での店舗販売のみのようです。


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