戦国・北条一族(Truth In History 17)

 私は西日本の出身のため東日本の地理・歴史にあまり詳しくない。特に関東の戦国史は複雑なので避けてきた。公方・北条氏・関東管領が入り乱れ、何が原因で戦っているのか良く分からないままだった。
 しかし関東在住の歴史好きの方と知り合い、関東の戦国史について語られるので興味を持ち、買ってみた本が「戦国・北条一族(著者:相川 司)」。
 本書は平安時代から丁寧に関東の歴史を紹介してあり、関東独自の歴史を分かりやすく紹介してある。著者が「多くの戦国関連本が関東戦乱史を省略しがちだが、それでは実態が見えてこない」と書いているが、まさにその通り。戦国時代に興味の比重が大きいと、どうしてもそこだけを見てしまい、関東諸将の戦いの本質が分からないまま終わってしまう。
 そういった方でも本書を読めば、複数の公方が存在する理由、両上杉氏の歴史など、基本的なことから理解することができると思う。
 関東戦国史の入門書としてお勧めの一冊です。


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