戦国・北条一族(Truth In History 17)

 私は西日本の出身のため東日本の地理・歴史にあまり詳しくない。特に関東の戦国史は複雑なので避けてきた。公方・北条氏・関東管領が入り乱れ、何が原因で戦っているのか良く分からないままだった。
 しかし関東在住の歴史好きの方と知り合い、関東の戦国史について語られるので興味を持ち、買ってみた本が「戦国・北条一族(著者:相川 司)」。
 本書は平安時代から丁寧に関東の歴史を紹介してあり、関東独自の歴史を分かりやすく紹介してある。著者が「多くの戦国関連本が関東戦乱史を省略しがちだが、それでは実態が見えてこない」と書いているが、まさにその通り。戦国時代に興味の比重が大きいと、どうしてもそこだけを見てしまい、関東諸将の戦いの本質が分からないまま終わってしまう。
 そういった方でも本書を読めば、複数の公方が存在する理由、両上杉氏の歴史など、基本的なことから理解することができると思う。
 関東戦国史の入門書としてお勧めの一冊です。


郡上八幡城

住所:岐阜県郡上市八幡町柳町

 1559年、遠藤盛数が八幡山に築城。1562年に慶隆が跡を継いで織田信長に仕えた。1588年に賤ケ岳の戦いで織田信孝に通じたという理由で美濃小原に移され、稲葉貞通が入る。関ヶ原の戦いでは東軍についた慶隆は高山城主・金森可重と協力して、西軍の貞通が篭る郡上八幡城を攻撃。その功で慶隆は城主に返り咲き、その後、遠藤氏が元禄年間まで郡上を支配した。
 遠藤氏に跡継ぎがなく改易されると井上氏が城主となるが、すぐに丹波亀山に移され、金森氏が入る。しかし重税のため有名な郡上一揆が起き改易。その後、青山氏が入り明治維新を迎えた。
 城は一度取り壊されたが、1933年に当時の大垣城を参考に再建される。現在は郡上市の顔として観光名所になっている。

(郡上八幡城の模擬天守と隅櫓)

(門)

(模擬天守から郡上市街地を望む)

(山内一豊と妻の像)

コラム:中腹から天守閣のある山頂に行く道ですが、とても狭くて何度も車を切り返してしまいました。でも他の車はすいすいと上へ、、、。同行者に何度も「下手だなあ~。何年同じ車で運転しているんだよ」って文句言われましたTT


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常照寺(妙向尼の墓)

住所:岐阜県可児市兼山580

 1565年、森可成の妻で長可や蘭丸の母・妙向尼が、母の妙願尼の菩提のために妙願寺を建立。その後、森家の移封に伴い妙願寺も移転された。兼山の妙願寺の跡地には、妙向尼の父・林常照の菩提寺・常照寺が、高山(土岐市)から移転され現在に至っている。

(山門)

(妙向尼の墓碑)

(林新右衛門常照の墓碑)

コラム:兼山地区は道が狭く、駐車場がない史跡が多いので「生き生きプラザ」に車を駐めて歩いて廻るのがいいでしょう(金山城を除く)。


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